サンマロ 冬の海
私がサンマロを訪れたのは、季節はずれもいいところの1月末。
海辺を歩いても、人っ子一人いない。北部だけに気温も低く、とにかく寒い。
さびしい感じもするけれど、夏ばかりがいいとも限らない。こんなに静かなサンマロの海は、夏にはきっと見られない。
この城壁からは、サンマロの海を一望できる。
かつては、外敵から土地を守るために作られたと言われる城壁。
現在では美しい海を見渡すことができる、散歩コースとなっている。
寒い寒い季節でも、地元の人々は浜辺を歩く。城壁から海を見渡し、遠い遠い砂浜にカニのように小さな犬が散歩してるのが見えた。
誰もいない海岸をリードもなしに走り回る犬と、遠くから見守る飼い主さん。
私のお世話になったパリのおじいさんも、夏場にはサンマロにバカンスに行くと連絡をくれたし、旅が大好きなフランス人の双子の兄弟も、サンマロは絶対に行くべきだ、あんなにきれいな海はないよ!!と教えてくれた。だからこそこの一年の間に、一度は行きたかった場所だった。
冬の海でも十分に、美しさや地元の人の大切な場所であることは伝わってきた。
夏の賑わいを想像しながら、いつかまたここに来れたらいいなぁ!と思った。