言葉の壁、言葉を越えるもの
私がwwoofしようと思ったのは、単純に農業を経験したかったのともう一つ、フランス語が学びたかった。
でも現実は、
フランス人のレネー→フランス語・英語
イギリス人のナイジェル→フランス語・英語・日本語
wwoof仲間の日本人→フランス語・英語
wwoof仲間のドイツ人→ドイツ語・英語
wwoof仲間のアメリカ人→英語
…共通語は英語だった。
言葉の壁って大きいなと、痛いくらいに感じた時間でもあった。
分からない事は日本人のwwoof仲間が説明してくれ、とても肩身が狭かった。
でもここの人達は、一人残らずみーんな親切で優しかった。本当に良いところで経験ができた。
言葉の壁は、確かに大きい。
報告、連絡、相談、雑談。
全部言葉がわからないとできない。
でも、言葉と同等に価値のあるものってあるんだって学んだのも、この生活を通してだった。
音楽。
美術。
スポーツ。
そして料理。
この世の中にある数え切れない、“五感をつかうもの”は、言葉の壁を超えてしまう…軽々と、とは言えないけれど。
この日は親しい人を招いて、食事をしてワインを飲んで、音楽を奏でみんなで過ごした。
料理は私達日本人が作る、日本食!
野菜は全てこの畑から採り、その他の食材はレネーがアジア食材のスーパーに連れて行ってくれて調達した。
揚げだし豆腐・なすの味噌田楽・鶏肉の照り焼き・葉野菜のお浸し…など、日本の家庭料理の数々。
本当は日本なら、一人一皿に一品ずつを盛り付けるんだということを説明して、ワインと共に日本食を食べてもらった。
きれいな空気、満点の星空、違った人種の人々。
だけどこうして、音楽と料理で繋がれる瞬間。
料理を学んできて心からよかったなと思えた瞬間でもあった。
国境を越えることって確かにあるんだ!
キッチンにいるレネーに、そんなところにいないで一緒に歌おうよ!!と大声で呼ぶナイジェル。
親しい人達で楽器を持ち寄って、みんなが知ってる歌を歌う。
日本料理とっても美味しかった!という声は本当に嬉しかった。
日本の文字は可愛いね!という声には驚いた。
フランスに来たからこそ経験できたこと。中でもこの家庭での経験は心にすっと入ってくる事ばかりだった。