ムッシューと歩くパリ! ①医療美術館 “ Musée de la médecine ”
その日から、私達は何度かムッシューにパリを案内してもらった。
最初に訪れたのは、サンジェルマンデプレの医療大学に隣接している、医療美術館。
“ Musée de la médecine ”
医療の歴史について、びっしりと展示されている。
何よりも贅沢だと思ったのが、ムッシューはお医者さんであること。
やさしく崩してくれたフランス語で、丁寧に説明してくれた。
彼は産婦人科医だ。子宮の展示を見ては、この体は妊娠できる・できないとか、昔の器具を見てはこの時代はこうやってお産をしていたんだと、身振り手振りを交えてとても陽気に。
友達の沙織ちゃんは看護師さん。興味津々だった。というのもここを訪れたのも、彼女がこの医療大学に入学志望があったからだった。ワーホリで来ている日本人には難しいという結果ではあったが、受付にその旨を伝えてくれたり連絡をとってくれたりと、彼女を全面的に応援してくれていた。
こんな親切なパリジャンがいたものなんだ。当時の私達はそう思った。
相変わらずに、分からない言葉は筆談をしてくれこの時間でかなりの勉強をさせてもらった。
そして見ず知らずの人にも、我こそはと医療の解説をするムッシュー。
本当に楽しい人(笑)
パリに来て右も左も分からないアジア人の私達は彼にとって、現役時代にたくさん取り上げてきた“ bébé ”のようなものだったのかもしれない。