Bistrot Bourgogne Sud ブルゴーニュ料理のビストロ
面接の前は必ず、そのお店の料理を食べるようにしていた。
最初の面接は、ブルゴーニュ料理のビストロだった。
この数ヵ月後に初めてブルゴーニュ地方を訪れたが、料理が本当においしくて感動した地方だった。
このお店では、数ヶ月前にオープンしたとのことだったが、店内は満席だった。
20分くらい待って、席に通された。
オーナーらしい、ふくよかな男性が接客をしてくれた。
ランチも終盤だったので選べるものがなくなっていて、あるものを注文した。
どれもおいしかったが、この野菜のテリーヌはすごく好きな味で忘れられない。
履歴書をメールで送っていたので、偶然近くを通った日本人の若いシェフが私に気づいて声をかけて下さった。面接は明日なのに申し訳ないねと、とても親切な方だった。おおよその話はその場でして下さった。
聞けば、この厨房は全員日本人で回しているそうだ。そんなお店がパリでは珍しくなく、たくさんあると言われたのでまた驚いた。特に2番手とかでなく、普通の料理人として働ける人間を探しているとのことだった。
休みはしっかりあるようで、週休2~3はあるそう。夜も23時には帰れるとのことで、待遇もよかった。給料も3軒の中で、一番高く1500ユーロと言われた記憶がある。
そして、人が足りていないしオーナーはすぐにでも来てくれていいから、書類を用意しようかと言っているとまで話して下さった。
リヨンではあんなに見つからなかった仕事が、街が変わるとこんなにも違うのか!私は何も変わってないのに!!
パリってすごい。
検討させて頂くことにして、店を出た。
衝撃は始まったばかりだった。