Tour Roseの料理
リヨン旧市街のホテル・タワーローズのお料理。ナイジェリア人のシェフは、世界各国の食材をフランス料理に融合させてメニューを考案していた。
見えないところに日本食材のゴマや醤油はよく使われていたし、モロッコのクスクスも好んでいた。
デザートは純フランス菓子。専属パティシエがいた。
初めて経験するフランスの厨房。メニューに使われる単語の一つ一つを辞書で調べ意味を知り、同時にフランス語の表現も覚える。
料理人は目で見て覚える仕事だというのは最もだが、それが何の魚であるかとか、どんな調味料であるかは、やはりただ仕事をしているだけでは理解しきれない部分が多くある。
シェフがメニューを読み上げ、兵隊のようにオーダーをこなす。その脇で、イタリア人ホールスタッフとシェフが、盛り付け台に小鍋をたたきつけながら大声で喧嘩を始める。
さっぱりわからない、すごい剣幕。
そんな環境だったが、彼の料理は面白かった。